「祖母の形見の和箪笥を修理できますか?」とのご相談をいただきました。
ひきだしがガタガタしていて、底から板が削れたようなものが出てくるとのこと。
外観は手を加えずそのままに、不具合がある箇所を直してほしいとのご依頼でした。
こちらが修理前のひきだしを外したところ。
底板が外れています。
錠も外れかけていました。
ひきだしをすべて取り外したところ。
背板には隙間ができています。
こちらが修理後。
見た目は手を加えていないので、修理前と変わっていません。
ひきだしは底板と側板を補修し、ガタつかないように直しました。
もともと木釘が使われていたのですが、鉄釘もところどころに。
おじいさまが鉄釘を用いて手直しされた跡だそうです。
補修の際は強度を優先しながら、木釘と鉄釘を併用して作業を行いました。
錠もきれいにもとの場所に収まりました。
背板の隙間も埋めて、傷みが解消されました。
ひきだしの取っ手に提げられていた小さな飾りも、お預かりしたときと変わらない場所に。
佇まいはそのままに、使い勝手のよい和箪笥に生まれ変わりました。