亡きお爺様がご使用になっていた文机を息子さんのための学習デスクにリメイクしたいとご相談をいただきました。
ご実家にある文机、亡きお爺様がご使用になっていたものだそうで、今年中学生になる息子さんの学習デスクにできますかと文机の画像とともにメールでご相談いただいたのが8月中頃。
どういうふうにリメイクされたいか具体的なご要望を伺い、おおよそのお見積もりをご提示。
ご承諾後、文机がenstolに届いたのが9月上旬。
現物を確認したところ、画像だけではわからなかった傷みや不具合を確認し、改めてお見積りをご提示しました。
まずは、天板。
画像では補修程度で問題ないと想像していましたが、実際には経年による割れや反りがあり、このまま学習デスクの天板としてご使用になるのはおすすめできない状態でした。そこで、天板は新たに製作し、脚や引き出しと雰囲気が合うよう色合わせをすることになりました。
次に、フレーム(脚)と袖机(3段引き出し)。
こちらも画像では把握できなかった傾きがあり、強度的に危険な状態でした。可能な限り解体して組み直し、伸長175cmの息子さんに合うよう75cmの高さになるよう脚と袖机の台輪を製作しました。
文机の面影を残すため脚の意匠はなるべく活かしたい、こちらからのご提案を快くご承諾いただきました。
最後に、引き出し。
こちらも経年で底板の割れや開け閉めがスムーズにできないほどの歪みがありました。底板の割れは埋め、開け閉めがスムーズにできるよう調整しました。
そして完成したのがこちら。
すべての作業を終え、合わせてご注文いただいたenstolオリジナルチェア「yu-dining chair」とともに3月中旬に発送しました。
無事にお届けできたか確認のためご連絡差し上げたところ、2階にある息子さんのお部屋へ搬入することができなかったとのこと。
聞けば、階段の手すり分、幅が狭く解体しないと2階に搬入するのが難しいとのことでした。
家具を移動するとき、搬入経路の確保が大切です。この点をお客様にきちんと確認していなかったためご迷惑をおかけしてしまいました。
いろいろ検討した結果、組み立てが可能な仕様に変更することになりました。
戻ってきたデスクを解体し、天板・脚・袖机と3分割にできるよう改めて組み直しました。
そして、完成したのがこちら。
後日、2階にある息子さんのお部屋に設置できたとご連絡をいただき、安堵しました。
当初のお届け予定である新学期がスタートする4月には間に合いませんでしたが、中間テストの試験勉強がはじまる5月中旬にお届けできました。
紆余曲折あった今回のリメイク。
お顔を拝見することなく、メールと電話だけのやり取りでしたが、スムーズに、そしてとても親切にご対応いただき、心から感謝しております。
ありがとうございました。