za chair

「za chair」の原点は、デザイナーの岡野が自身の伯父さんのために作った座椅子。
お正月に親戚が集まった際、足の曲げ伸ばしがしにくい叔父さんが和室で辛そうにしている姿を目にし、足に負担をかけず、だらしなく見えずに座れる座椅子を贈ることを思い立ちました。

同じ頃、お客さまからもオーダーメイドで座椅子を作ってほしいとのご注文が。
いただいた条件は、「和室で食事をすることもあるので、座り心地がよく寛げること」「だらしなく見えないこと」でした。

左が「za chair」、右が「yu-dining chair」。
デザインにあたり最もこだわったのが、美しさと、座り心地の良さ。
背もたれの”鎖骨”部分は、彫刻のような佇まいのダイニングチェア「yu-dining chair」のデザインを踏襲。
ダイニングチェアよりも”鎖骨”部分の角度を深くとることで、背もたれの下部分は腰に当たらず、上部分が背中に当たるような構造にしました。

また背もたれ部分の生地の張り加減にもこだわりました。
背もたれ部分は「背面の生地→裏張り→ウレタン→表面の生地」の4層構造になっていて、表面の生地の引っ張り具合で背中の当たり心地がかなり変わります。
何度も試行錯誤を重ね、背中を優しく包み込んでくれるようなやわらかな起伏を実現。
上半身の体重を背中に預けても、程よい姿勢を無理なく保つことができる背もたれが完成しました。

和室でお使いの際に畳を傷つけにくいよう、脚は畳摺り仕様に。
座面の高さを床面より少し高くしていますので、あぐらをかいたり、足を放り出して座ったり、膝を曲げたり、
お好きな姿勢でゆったりと寛いでいただけます。
また、立ち上がる・座るの動作が楽になるほか、あぐらや正座に慣れていない外国の方にも優しい座椅子です。
座面と背もたれは、生地が傷んだり中身のウレタンがへたったりした際にも張り替えが可能ですので、長くお使いいただけます。

フレームはオーク無垢材・オイル仕上げ。
直線的なラインとゆるやかな曲線が混じり合い、無垢材ならではのなめらかな手ざわりがお楽しみいただけます。