“カウンターチェア”と聞いたら、どんな椅子を想像されるでしょうか。
背が高くて、くるくると回転して、スチール製のフレームで・・・

テーブル席とは異なり、手早く食事を済ませたり長居しない時に利用することが多いカウンター席。
それゆえカウンターチェアは、
・カウンターの限られたスペースで場所を取らないようコンパクトに
・背もたれは無しor低めに
・強度を確保するためフレームは頑丈な素材で
といったように、カウンター席の目的に合ったつくりのものが主流となっています。

とはいえカウンター席がメインで、ゆっくりと時間をかけて食事ができるお店もたくさんあります。
せっかくの美味しい食事なのだから、ゆっくりと寛げる椅子に座り、時間を楽しみたい。
しかしその想いを叶えてくれるカウンターチェアを探してみても、なかなかぴったりのものが見つかりません。
それならばと、”ちょっと腰かけるためのカウンターチェア”ではなく、”ゆったりと寛げるカウンターチェア”を目指してデザインしたのが「yu-counter chair」です。

座り心地を重視するあまりサイズが大きくなりすぎたり、荷物置きなどの機能を付加してみたりと試行錯誤を重ねながらようやく完成した「yu-counter chair」は、
・広い座面と背もたれでダイニングチェアに引けをとらない座り心地
・無垢材の美しいラインが際立つ洗練されたデザイン
・職人の手仕事による丁寧なつくりで長く使える
といった特徴を持つ、新しいカウンターチェアなのです。

ここからは「yu-counter chair」のフレームができるまでをご紹介いたします。

あらかじめざっくりと切り出した木材に、これから切り出していく各パーツの印をつけていきます。
作業台に所狭しと並んでいるのは「yu-counter chair」を製作するための治具(じぐ)の一部。
治具とは加工や組み立てをする際に、部材や工具の作業位置を指示・誘導するために使用する工具のこと。
カウンターチェアはパーツが多いため、その分多くの治具が要ります。
これらの治具もすべて、職人がひとつひとつ手作業で製作しています。

印にそって各パーツを切り出していきます。
ほかのオリジナルチェアと同様、「yu-counter chair」のフレームも直線とゆるやかな曲線が混じりあったラインをしているため、カット作業も繊細さが求められます。

切り出した各パーツを組んでいきます。
まずは後脚と側面の座枠や貫、前脚をダボと接着剤で固定し、完全に乾いたら背板と前後の座枠や貫を接着します。
だいぶカタチになってきましたが、この時点ではまだ角張っています。

サンダーで角を落としていきます。
部分ごとにどれくらい角を落とし、どのようなラインに仕上げるか。
職人はきちんと手で覚えていて、フレームを撫でて手ざわりを確認しながら作業を進めます。
写真右はサンディングを終えたフレーム。
このあと塗装職人が手作業でペーパーをあててオイルワックス塗布またはラッカー着色を施し、なめらかな木肌のフレームに仕上げます。
そこに椅子張り職人が生地を張った座面を取り付ければ、ようやく「yu-counter chair」の完成です。

「yu-counter chair」の販売開始以来、飲食店はもちろん、最近はご自宅のキッチンカウンター用にとオーダーいただくケースも増えています。
キッチンのワークトップと一続きになったカウンターテーブルをメインのダイニングテーブルとして使用するなど、ダイニングも多様化。
ご注文をいただいてから一脚一脚製作しますので、カウンターに合わせた高さでの製作も可能です。

yu-counter chairのページ

2022.12.09 公開

<
<
全ての記事
>
>